5/27/2006

20世紀の瞬間:報道写真家‐時代の目撃者たち

Get the Picture : A Personal History of Photojournalism
by John・G・Morris (ジョン・G. モリス)

光文社 1999年   Go! Amazon.co.jp

もっとも報道写真が勢いを持っていた時代を写真編集者トップとして務めた John・G・Morris (ジョン・G. モリス) の回想録です

創刊まもない1937年〈ライフ〉に入社 ロンドン支局写真編集者として
Robert Capa の有名な ノルマンディ上陸作戦の写真 (映画プライベートライアン の冒頭のシーンです) に係った 
ノルマンディの Capa からは 進行時の模様を撮影した35mmフィルム4本が ロンドン支局に届けられたが 急いで乾燥させた際のアクシデントで11コマのみが使用可能だった
発表された粒子の荒い写真(暗室でのアクシデントのせいかも知れない)は
「ちょっとピンぼけ その時 Capa の手も震えた "Slightly out of focus" Capa's hands were shaking in the excitement of the moment と言う伝説をつくった (Capa はこれを自伝のタイトル 【ちょっとピンぼけ】 に使っている)


第二次大戦後は〈レディース・ホーム・ジャーナル〉 編集長を務め
1952年 Robert Capa に請われて〈マグナム〉の初代の写真編集部長に就任 その後〈ワシントン・ポスト〉・〈N.Y.タイムズ〉等の写真編集者トップとして過ごした
時代を代表する報道写真家の自伝などでは 語られない一面や 
雑誌や新聞の紙面での写真の扱われ方なりがとても興味深かったです

5/21/2006

マグナム:報道写真半世紀の証言

Magnum: Fifty Years at the Front Line of History : Russell Miller ラッセル・ミラー著

白水社 1999年出版   Go! Amazon.co.jp

マグナム創立50周年目の1997年にイギリスで出版された本の日本語版です
1996年 MagnumPhotos マグナム メンバー(二人を除いて)にインタビュー 書かれたものです

報道写真家として自己主張の強い(個性の強い)メンバーは設立から何度も解散の危機を乗り越え現在に至っています
Magnum の命名も創設者が飲んでいたシャンパンの大瓶(マグナム)に由来すると言う 伝説が出来上がっているのも 時代の寵児 Capa が創設者だったからかも知れない 《崩れ落ちる兵士》は1936年スペイン内戦中に撮られ 世界中に Capa の名前を印象づけました
だが他の三人の創設者 Henri Cartier-Bresson (アンリ・カルティエ=ブレッソン) ・David Seymour 【Chim】 (デビッド・シーモア) ・George Rodger (ジョージ・ロジャー) も Capa に勝るとも劣らない個性の持ち主です
若くして亡くなった Capa と Chim
Cartier-Bresson と George は長生きをしてくれたけど・・・・・
LIFE などが廃刊になった頃 報道写真は終わったと言われてますが 
全員亡くなってしまった今 なんだかすっかり(きっちり)報道写真の時代の幕が降りた思いがします

MagnumPhotos (マグナム) に興味を多いに持っている方に お奨めの1冊
「20世紀の瞬間 報道写真家 時代の目撃者たち 」John・G・Morris 著
1952年から1962年までMagnumPhotos の初代の編集部長だったJohn・G・Morris が当時の MagnumPhotos の内情を多く記しています